淡々と暮らすこと

フィンランドの花屋さん
店主の気に入った花を少しずつ綺麗に並べた店。
つくられるブーケはヨーロピアンスタイルでもオランダやデンマークの人々のデザインと比べると幾分おおらかでスペースを感じるアレンジだった。
ブーケをくるりと紙包みにすると頭の部分をスマートに折り畳んで輪ゴムをかける。
孫を抱えたお婆さんに渡す包みはその輪ゴムに輪っかをかけて手にぶら下げられるようにした。

地元のお年寄りと向き合う美容師さんの話。
そしてお婆さんがやっている真夜中のバーガースタンドには灯りに寄ってくる虫たちのようにお腹を空かせ
た人々がぽつぽつとやってくる。

フィンランド、確か言語学的には日本語と親戚のはず。
人々の暮らしも氷の結晶のように雑多なものや無駄・・・不純物がないように見える。
淡々と暮らすということにとても惹かれるのは、それこそが私には難しいことだから。

もうしばらくは、雑然とした部屋と家族の存在にやきもきしながら、折り合いを付けて暮らしてゆこうと決心しても、舌の根も乾かぬうちに父と喧嘩。
喧嘩すると祖母もわからない頭で口を挟み終いには家をでていくと泣きだす始末。
引っ越しして以来、家出しないで済むようにと必要なものは揃えたつもりだったけれど、足りないのは物ではなくて、ひとりになれるスペースと時間だった。

年寄二人を追い出すよりは、私が家出して頭を冷やす方がましだろう。
だから家出せずにいられない。
いつかまた、見知らぬ土地に暮らしてみたい。
静かな北国でもいつかきっと。

そこに暮らしていないと見えない物語。
いい番組でした。他のバックナンバーも見たいです。
ヨーロッパ路地裏紀行〜ヘルシンキ ムセオ通り〜

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