花のメッセージ

長い間癌を患っていた知人が亡くなり、ご自宅に伺うことになりました。

そのためのお花を買いに店に足を踏み入れると、一番高いところにあったヨウシュヤマゴボウが目に入りました。
ああ、これだと思いまず手に取りました。

そしてダブルの薄紫と白のリシアンサス、濃いピンクのナデシコのようなスプレーカーネーション、白いスプレーマム、ピンクのジンジャーの仲間の花、ゼラニウムの葉、最後に優しい細い糸のような葉の木の枝を添えました。

ヨウシュヤマゴボウ の フラワーエッセンスのメッセージは「生きる力」「どんなことをしても生きる」です。
遺影のお写真は首が横に傾いていらっしゃいました。
ヤマゴボウも真横に枝を出しているのですが、その付け根はとても硬く、そこから花房を柔らかく垂らしているのです。
長い間、苦しかったと思います。
けれども最後に大切な人ができ、その方と共に過ごされました。

その方は男性でしたがお花がとても好きでした。
私が知り合ったのはやはり20年くらい前のことです。
そして3年前にひょんなことから当時働いていた会社へ通うようになり、入院されていることを知り交流が始まりました。
しかしそれもほんの一時、私は一年で会社を辞めたと同時にまた疎遠になりました。

ある時彼が花の写真を送ってくれたのですが、その花はエキナセアでした。
実は以前ガンを患って完治した上司からその花のチンキをいただいたことがあり、ハーブとしての薬効も知っていました。
何よりご本人が惹かれて撮った写真でしたので良いかもしれないと思い、私は少し言葉を濁して、ハーブなので病院の先生に聞いてみて良かったら試してみると良いかもしれませんねとだけ伝えたのですが、その不用意な言葉で彼を怒らせてしまいました。

今ならどんな気持ちで怒ったか理解できますし、彼もそのことについて釈明しようとしていたのですが、私も家で病人を抱えていましたし、介護もあったためにいっぱいいっぱいでした。
自分には何もできないことを痛感し、これ以上関わらないでいようと決めました。

それからあっという間に二年が経ち、久しぶりで電話がありました。
留守番電話にメッセージが残っていました。
「なんとか生きています!」
聞きたいことがあるとのことでしたが、気づいた時には午前様でした。
また体調の良い時に、掛け直してもらえるように祈って待つことにしました。
それが最後でした。

亡くなられた知らせを受けてからも、色々葛藤がありました。
私、葬儀がいやなんです。
社会人として、人として、ましてや友人のお線香をあげにゆくくらい、するべきことだとわかってはいるのですが、本当は嫌なんです。ごめんなさい。
でも、お花を届けられて良かったのです。

エッセンスを取っているとこのことが溢れてきました。
そして昨日のことを少し理解できたように思えました。
昨日のセッションで今の自分のために選んでもらったエッセンスの中にヨモギがありました。
その時思い当たることとしてお話したことは、全く別のエピソードでしたが、それは同じことに端を発する事象の一片だったと思うのです。
ラーチについても、ヨモギについても、幾重にも事象が層を違えて重なっているように思えました。
そして今日になって、あの時花束の最後に添えた木の枝が、ヨモギの代わりであったように思えたのでした。