1990年

といえば、、、私が二十歳の頃作られた台湾梨山の烏龍茶。
中国茶は古いものを陳年、そして老茶と呼びます。
日本では陳年の方が知られ、台湾では老茶と呼ばれるのが一般的なようなので、陳年烏龍老茶とラベルに書かれているのでしょうか。

ポストに届いていたので早速味見を。
一日講座で少々疲れたので、叱られそうですがあくまで簡単に。

香りは甘くもあるけれど、大陸茶に比べスモーキー。
キレが良いですが、最後に残るのも薫香です。
しかし、味はすっきりとした中に甘味の余韻が長く残ります。
碗に残った冷めた茶を啜ると、再びトロンとした香りが花を抜けました。

台湾では深めの焙煎が好まれると聞いたことがあります。
けれどそういうものを飲むとどうしても香りに味が負けてしまっているように感じたのですが、これはさすが老茶。
負けていません。
三煎目もまだまだ、という感じ。
五煎目にして梨山の酸味を感じるようになりました。
中国茶には早く出てしまう軟水よりも中硬水でじっくり淹れた方が合うのではないかと思ったり。
普通に淹れると一煎目で出すぎるので難しいのです。

香港のお茶屋の主人は水道水に麦飯石を入れていました。
中国緑茶専門店の主人は都内の水道水を比べ、表面張力の強いもの、弱いもの、のどちらかがベストだと言っていたのだけど思い出せません。
スリランカ紅茶の店主は超軟水で素速く雑味が出ないよう抽出します。

お茶酔は至福、ニュートラルになれる時。
ここのところ緊張していたのでこういう時間が私には必要でした。
おかげで今日の講座の内容もじわじわと腑に広がっている気がします。