metamorphosis

9月が終わります。
少し冷たい風が吹き抜けたその時、ふとある歌のメロディが頭をかすめました。
歌詞の中では9月が来るのを期待と共に待つ心境が歌われています。
そして私は”その時”が来たのだと知りました。

月のはじめに訪れたサインはTransformationのAngel、そしてアゲハ蝶でした。
変容が起こる時、繭というスペースが必要です
そのスペースは護られる必要があり、そして可能性を現実のものとするためのー未知なるものの介在を許すための空間が必要なのです。
その繭の中で、生物ならばDNAに記憶されたものに従って細胞が分裂し変態(成長)して行きます。
人の意識とその現実化についてもインスピレーション、霊的な力が介入します。
現実がかたち作られる前の状態で重要なことは、むしろ期待を手放すことだといわれます。リラックスしてニュートラルな状態になり、未知の可能性にオープンになることで、霊的な諸力を招き入れるのです。
期待や希望を持つことは良いとしても、それがどのようにどんな形でもたらされるかに執着しないと言ったら良いでしょうか。
最善がもたらされると信じるーーそれは自分の可能性を信じることでもあり、信仰にもにた気持ちと言い替えることができるかもしれません。

 そして本来の仕事にフォーカスを当てるべく昨年作ったWaterにラベルを付ける為の追体験をしました。
それはMooralla Smoky Quartz オーストラリアのヴィクトリア州アデレードとメルボルンの間にある地域で産出される煙水晶の一種から作りました。
スモーキークオーツと言っても、クリアクオーツの中でスモーキークオーツが墨流しのようにたゆたうクリスタルです。
流紋岩のジオードの中で結晶したそのクリスタルは水が凍るように外から内へと固化していったように見えます。
液体と小さなガスとが十分な濃度と圧を失い混沌としつつ固まったシリカの中に閉じ込められているのを見つけました。小さな小さなバブルがクリスタルを傾けるとクラックの中を旅するように移動するのが見えます。



 クリアクオーツだけで結晶することもできたであろうし、スモーキークオーツに結晶する可能性もあったはずです。しかし、この土地のジオードから生まれるクオーツはこのような姿になったのです。今のところ、オーストラリアのいくつかの地域以外でこのようなクオーツは見つかっていません。
そしてハーキマーダイアモンドのように硬い光を放ち、繭の中で育った為かその多くがダブルポイントであり、所謂スモーキークオーツとは全く違った印象を受けます。

 そもそも私がこの石を手にとったのは、支笏湖畔にある恵庭岳の姿に似ているとその瞬間に思ったからです。
山頂には尖った岩があるのが遠くからも見て取れます。同じようにこのクリスタルには小さなクリアクオーツの結晶が付いていたのです。
 地図で見ると羊蹄山と支笏湖とは対である陽と陰のように感じられ、その両極から見た二つの山ーー羊蹄山の側ニセコから見た昆布岳と、支笏湖の側から見たこの恵庭岳の姿に私は中庸の意味を投影していました。

次に現れたサインは易経。古からの知恵に学ぶ。
これも繰り返し私の前に現れているテーマでこれまでに六爻占を齧ったこともありましたが、今回はI CHINGカードの封を開けました。
以来カードを引いていますが、最初に引いてからというもの良く出たのが26番山天大畜。
この像はこのクオーツから生まれたwaterの性質、そしてこの時節に通じる流れを見せてくれていると感じます。山の内には天の気 Inspirationが蓄えられ内なる宝石を結晶させ、徳を養う。

このwaterは metamorphosis と名付けることにしました。