橋の袂で

ここ数年、再び訪れる様になった場所があった。
そこを後にして、川のゆったりとした流れを見ながら駅まで歩く。

いつも決まってある場所にさしかかると堰を切った様に涙が溢れてしまう。
それは想い出を反芻しているからだと思っていたのだけれど、違ったのだった。

「ありがとう、良子さん」懐かしい声で、そう聞こえた。
ああ、耳には聞こえないその声を私はいつも聞いていたのだ。
そこは川に架かる橋を渡る少し手前だった。
去り難く、でも自動車教習所の目の前で、、結局ごう泣きするのだった。

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川沿いの薮に見つけた仙人草。浮かんだ言葉は天国への階段。